2014年6月29日日曜日

からくり茶運び人形の試作 その4

からくり茶運び人形の試作 その3 の続きです。

この天符(減速機構)の部分の調整に非常に苦労しました。意味がよくわかっていなかったこともあって、10回ぐらい作り直しました。


この2つのパーツがすぐ横の突起群に当たりながら、そして当たって回転しながら減速をするのですが、この角度の調整がやたら微妙です。角度が浅いと突起に当たらず、ザーッと滑ってしまい暴走になるし、角度がきつすぎると、今度は回転せずに止まってしまうのです。


他のアングルから見た該当部分。


うまくいくとこんな感じです。


スローで見るとよくわかります。
角度の違う2つのパーツが微妙なタイミングで突起部分に互い違いに当たりながら、ゼンマイから伝わったパワーを一瞬一瞬止めて減速をしております。まあ往復ビンタを繰り返すみたいな感じですね。
おもりの量で減速度合いが変わります。重ければ速度はゆっくりになります。
この突起は13本でやっておりますが、これを減らすと、たぶんですが微妙にカクカクとした動きになるのではないでしょうか。突起の数を変えるとどういう変化があるか、今後研究の余地があります。突起の数は奇数である必要があります。

このからくり人形を自作されている方が結構いらっしゃるようなのですが、ものすごい根気だと思います。私みたいに3次元でモデリングして機構をビジュアルで把握しながら、レーザーでスパッとカットして作るのとは違って、自作派の皆さんは、ポンチ絵とか三面図を見ながら糸鋸でカットですよ。恐らくレーザーの100倍ぐらいカット時間がかかるのではないでしょうか。その根気と根性に頭が下がります。


ゼンマイを一度広げて軸に固定する穴を開けているので、この時点で一度まき直します。刃型のベンディングマシンをつかいます。何でも持っていると実に便利でしょう?自分でもビックリだ。でもゼンマイも刃型も焼きが入った鉄:すなわちバネですので、使い方としては実に理にかなっています。

しかし、自作派の皆さんはゼンマイにどうやって固定穴を開けて、ゼンマイの巻きを戻しているのか実に不思議です。巻いたものを広げるはそれほど手間はかからないのですが、広がったバネを丸く戻すのは綺麗な丸い渦巻きにはなかなか戻らないものですよ。


さて次は、方向転換のパーツをセットします。
うーん、かなり引っかかります。スムーズに回ってくれません。設計図とだいたい同じように作っているのですが、ちょっと問題あるようです。


こんな感じに設計変更してみようか?こっちの方がスムーズに動きそうですね。
さてどうやってつなごうか。



つなぎ目の部分がまだショボいですが、方向は変えてくれます。
本来の設計よりも動きがスムーズっぽいです。