2014年8月24日日曜日

からくり茶運び人形の試作 その13

からくり茶運び人形の試作 その12 の続き

前回頭部を作ったら割れたと書いて、再度切削してみたのですが、やっぱり割れるのです。
これは流し込みブロックをもう一つ割ってやらないといかんのだろうということで、前後割りをいたしました。


とりあえず深いことを考えずに、だいたいこのあたりでいいだろうというところでスパッと割ってやります。

そして、何と言っても重すぎますので、中身を空洞にしてやります。


つまり一回り小さい凸ブロック(上画像右端)を作ってやるのです。別に難しいことではなく、3次元縮小してやればそれなりに一回り小さいものになります。Shellコマンドを使っても良いような気がします。
これも経験が無いので、だいたいこれぐらいで良いのではないかな、と言うあたりまで縮小してやります。シェルが厚ければ丈夫でしょうけど、それなりに重くなるし、薄ければ軽量化できますが丈夫さは犠牲になります。どの当たりが最適ラインかということは、これは経験値を積まないとわかりません。

これで、理屈では頭の中に空洞が出来るのです。たぶん現実でも出来るはずです。


切削終わりました。


オッとその前に、前後割りしたブロックに石膏を流し込みますので、流し込んでいる間は枠が広がらないように押さえを作っておきます。レーザーでベニヤをカット。


こんな感じで前後割りした凹のブロックに嵌め込んでやります。


ここに流し込みます。


石膏を流し込んで、凸ブロックを押し込んだ状態。


だいたい30分。半日とか1日とか待っていられませんので、まず凸ブロックから外します。


そして前後割りした凹ブロックを外します。


何と。今回は割れませんでした。遺跡物から進化いたしました。
ただいい加減に攪拌をしているので、気泡が問題です。

気泡を抜くのに生コン(コンクリート)だとバイブレーターというものがあるので、恐らく石膏にもそういうものがあるのではないか?と思って調べてみましたところ、石膏用バイブレーターという歯科用のものがありました。本格的に石膏で頭を作るならバイブレーターを買うことにしましょう。
気泡が入らないように攪拌するなどという面倒なことをするよりも、大雑把な人間のやることだから何をやっても気泡は入るものだと諦めて、気泡を抜く機械を買ってしまった方が手っ取り早い、というのが私の思考方法です。


合わせ目の筋が目立ちますが、これは削れば良いです。


しかもきちんと内部は空洞になって、軽量化されております。

何ともはや、驚きだ。
ついにここまで自分だけでやった。突っ込みどころは満載ですし、まあからくり人形の元データはありましたが、結局自分で3次元でモデリングして、間違っているデータを直して、設計変更して、自分のところでレーザーカットして、頭部も手前でモデリングをして、流し込みブロックを自分のCNCで削り出して、という一連の工程を、すべて半素人みたいな私がやったと言うことになりました。外注一切なし。

皆さんウチの名前を知っていますか?Aki-Asahi Custom Camera Coveringsですよ。カメラとはもう全く関係のないものではないか?まさにその通りなのです。
新しい世界にたった一人でも裸一貫で飛び込んで切り開いていってやろうという反骨精神と気概に満ちあふれているのが、何を隠そうこの私だ、ということになるわけです。まあ、そういう人は案外そこら中にいますけどね。



さて、顔は半分ではいけませんので、今日はもう一方の半分を切削します。
なかなか気が遠くなる作業です。


さてこの切削用の樹脂板ですが、今回35mm厚のものを削っております。この樹脂板が実はなかなか高いのです。しかも厚みのあるものは高いどころか、不思議なことになかなか入手出来ないのです。20mm厚ぐらいのものでしたら普通に手に入るのですが、30mm厚以上のものを1枚2枚で買おうとしても難しいのです。これは私が気の利いた入手先を知らないだけなのかもしれませんが、需要の問題なのかもしれません。何十枚何百枚と使うところが普通の取引先で、1枚2枚というところは取引先にはならないということも普通に考えられます。
30mm厚ですとPP製の業務用のまな板という手もありますが、まな板だと押し型として使うには柔いのです。MCナイロンですか?うちで使うには高すぎ。一個失敗したら数週間は立ち直れません。

また大概のものはそうですけど、こういう材料というものは小分けしたものは妙に高いです。例えて言うならスーパーで鮭の切り身が300円で2切しか入っていないとしましょう。でも一匹丸ごと買うと1500円~2000円ぐらいだったりする感覚と似ていますね。切り身何枚取れるのこれ?まあそんな感じです。


そこでだ。ここは一つ思い切ってトン単位で輸入してやれ、という無茶な行動に突っ走ります。1.5トンぐらいでしょうか。これだと単価はだいぶ安くなります。でも今の調子で切削をしても10年分ぐらいはありそうな感じです。
ここまで単価が下がって在庫に余裕があると、失敗を恐れずにガンガン切削できます。

しかも知り合いの業者さんに話したら50mm厚のものを分けてくれということで、これなら意外と早く在庫が裁けてしまうかも?そんな感じです。

ちなみにブツはPP(ポリプロピレン)ですので、クリッカーの裁断板として使えます。というか元々苦リッカーの裁断板用です。15mm, 20mm 25mm, 30mm, 35mm, 40mm, 50mm厚があります。サイズは1000mm x 1300mm
ご希望がありましたら、ご相談ください。


さて、ここでまた一つ別な可能性を見つけてしまいました。
頭部は重量というのが鬼門ですが、非常に軽い頭部を作る方法として、張り子という選択があるのではないかと、ふと思ったのでした。

からくり人形が出来上がったら、実は組み立てキットとして売るつもりなのです。
なので、頭部も凹型のブロックをつけておいて、自分で張り子をして頭部を作ってください、というのもキット売りとしてなら充分ありでしょう。しかもですよ、凹型のブロックがついているなら、何度でも気が済むまで作り直しが出来ますよ。
用意するのは新聞紙とかの薄い紙と小麦粉だけ。私は新聞を読みませんので、糞忌々しい税務署の書類を使いますけどね。


凹型のブロックは毎度毎度いちいち削り出さなくても、上の画像のように流し込みの升を一回削り出して、そこに石膏を流し込めばいくらでも作れてしまいます。でも石膏じゃあ水に弱いから張り子には向かないかな。ダメならまた別の素材を考えればええです。モルタルを流し込むという力技もあります。

張り子が面倒くせえって言うのなら、軽量紙粘土を100円ショップで買ってきて詰めて乾かせばええですよ。

これは良いアイデアかも知れません。ぜひ一度試してみましょう。