2014年11月19日水曜日

3本入りのインスリンケースを作る企画

実は先日の投稿である 3本入りのペンケースを作る企画の続き その2 なのですが、これをご覧いただいたとあるお客様が、糖尿病患者さんのインスリン注射器の携帯用に使えるようにして欲しいというリクエストをされました。Amazonでポチって、ウチにカメラを直送で送ってきて、オリジナルの革など早速剥がしてかまわないという、そういうお客様です。色々有用なアイデアを持ち込まれるお客様でもあります。

私は幸いにして糖尿病ではないのですが、糖尿はなかなか大変だということはわかります。不摂生という偏見があるようですが、遺伝などの関係もあり、他人事ではなく誰でも糖尿になる可能性はあるのです。
膵臓が完全にダメに成ったタイプの糖尿病(インスリン依存型とかI型と呼ば
れる)な人は,最近は1本で2週間前後使える使い捨て型の注射器を各食前に打つ超即効性と,就寝前に打つ持続性の2種類+外出時の故障に備えて超即効性の予備を1本で合計3本持ち歩く場合が多いです.  
世界的に見て使い捨てインスリン注射器の製造元はほぼ三社寡占なんですが,上位
2社の"ノボ ノルディスク ファーマ"と"サノフィ"は 15mm まで入るならギリギリOKですが,"イーライリリー" 17mm です. 
なるほど。つまりφ18の3本収納ケースを作ればインスリン注射器ケースは万事解決するような気がします。
道楽ものばかり作っていると、いい歳して社会貢献もできない馬鹿だと思われかねませんが、ここは一つ少しは社会の役に立ちそうなものを作る姿勢をみせて、「馬鹿は馬鹿なりに少しぐらいは社会貢献をしようという頭を持っているのだな」というイメージを持っていただくことも実に大切なことでありますね。

どちらにしろ太めの3本入りケースも作ろうかと思っていたところですので、早速、使い終わったインスリン注射器を送っていただくことにして、こっちは早速モデリング。


モデリングはφ15x3本とやり方が変わるわけではないので、スパッと逝きましょう。


また目指すはニュルッとしたカーブを描いたオルガニックな形状です。


仕切りの部分もヌルヌルっと継ぎ目無く持ち上げてやります。格好でやっているだけではなく、その方が成形時の圧力をかけたときに破れにくいというのが大きな理由でもあります。


仕切りはこれぐらい薄くしても破れないのではないかという見込みでやってみます。
持ち運び前提ですので、とにかく出来るだけ幅を広くしたくないわけです。現状80mm幅。胸ポケットはものによってギリか無理かというところです。手縫いでやれば75mm幅で狙えます。これは絞り上がりを見て判断というところでしょうか。


では切削パスを計算してもらいます。


切削 GO!