2015年3月10日火曜日

DIY トライコプター 東雲壱号

前回はフレームを買ってきて、クアッドコプターをトライコプターに改造しましたが、今度はフレームも自分で設計して一からDIYすると言うことで、500mmサイズのトライコプターを作ってみました。


まずは何はともあれ、設計というかモデリングをしないと始まりません。
いつも通りライノを使って三次元でモデリングします。



レーザーカットします。フレームは4mm厚のシナベニヤです。
アームは10mm角x1mm厚のアルミ角パイプを使います。ホームセンターで1メーター300円もしません。1mで足りるように330mmのアーム長で設計します。クラッシュしてアームがひん曲がっても、1メーター300円なら交換も大して気になりません。


組み立てるであります。
一発で上手くいくわけがありません。何度もモデリングをし直して、カットし直しております。

今回の目標は、フライトコントローラーはもちろん、ESC(スピードコントローラー)、GPSアンテナなど、モーター以外の電気系統部品をすべて中央のハウジングに押し込めることです。

DIYコプターの多くはESCをアームにくっつけておりますが、あれはあまり見栄えが良くないというだけではなく、クラッシュしたときにESCも壊れてしまうという欠点があります。中央のハウジングに押し込めることによって、クラッシュ時に壊れるのはプロペラとモーターだけで済ますとそういうことです。Phantomなどの既製品はそんなにクラッシュしたり墜落したりしないのですが、大体パーツがいい加減な物が多いし、設定もやたら箇所が多いのでDIYコプターはクラッシュとの闘いです。

ただ何でもかんでもハウジングに押し込めるので、トライコプターにしては結構大きな物になってしまったと言うことです。


今回はAPM2.6フライトコントローラーでいきます。GPSがつけられてトライコプターが組めるフライトコントローラーは多くないのです。私が知らないだけかも知れませんが、APMぐらいじゃないでしょうか。Multiwiiですか?買ったけど、設定のファイル見ただけで使う気が失せました。
APMフライトコントローラーの問題点は、サイズが大きいと言うことです。Mini APMとか小さいサイズの物もありますが、今度は値段が高いのです。


名付けて東雲(しののめ)壱号。
トライコプターは実に良い。クアッドとかヘキサとかたくさんプロペラがついているヘリコプターは、私は正直あまり欲しくならないです。人間が腕を広げて宙にさまよっているようなトライコプターの形状が、やっぱり私は好きなのです。(プロペラが多ければ、基本的に安定するようです)


GPSアンテナは他の電気&無線系統から離しておいた方が良いのですが、意地でも中央のハウジングに押し込めます。


Yaw(ヨー:舵)のサーボモーターはアマゾンで1200円ぐらいです。このサイズのコプターに装着するにはちょっと大きめだと思いますが(というか16グラムサイズのサーボモーターで充分らしい)、違うのを探すのも面倒なので、これでいきます。というか何と言っても安いし。
重量が53gありますので、このサーボモーターのおかげで重心がかなり後ろに寄ってしまいます。なので形状が見た目でフロントヘビーなのです。

トライコプターはYawが重要で、自作派の皆さんはここに一工夫をしてますけど、私のこのYawはなかなか良いですよ。まずシンプル。シンプルだと材料費が安いです。そして、クラッシュ時に壊れにくいです。

ランディングスキッドは、これまたベニヤをレーザーカットした物。そして下駄は100円ショップに売っている、名前は何と言ったっけ?家具などの角に貼って、ぶつかっても痛くない、そういう硬めのスポンジ素材。このスポンジ下駄のおかげでアスファルトの上でも着地させられます。ベニヤむき出しのままだと、着地のたびに削れてしまうのです。

しつこいですけど、結束バンドで留めているのは意味があります。ネジでガチガチに固定すると、急着陸した場合、スキッドが割れるのです。結束バンドだときつく締めたとしても多少遊びがありますので、これで衝撃を吸収してくれるのです。いつもいつも大人しく着地出来るような状況ばかりでもスキルでもないのです。


980kvモーターです。入手しやすいというだけの話しです。


基本的に接着剤はあまり使いません。結束バンドとマジックテープを多用して組み上げます。
これには理由がありまして、設定が落ち着くまで部品を外す機会が多いのです。クラッシュしたらまた外してとか面倒くさすぎですので、すぐに組み上げられて、すぐにバラせる結束バンドとマジックテープが理想的なのです。


この隙間にESCを3つ押し込めます。


バランスはバッテリーの位置で調整します。
カメラをつければ、重心は前に来ますので、バッテリーを後ろの方に装着するとか、そんな感じです。

出来た!それですんなり飛ぶか、と言ったら飛ばないのです。Yawが安定せず微妙に右むいたり左むいたりフラフラします。

他人様のビデオですが、これと全く同じ症状です。



APMフライトコントローラーはYawの調整が難しいようです。どうするか?というとWebで調べるのです。同じような症状の人は必ずいます。

日本語の情報などほとんどありませんので、「フラフラするって英語で何というのだろう?」、wagging らしい。その単語でサーチすると、あったあった。
Tricopter wagging tail issue

PIDを調整するらしい。
Yaw stabilize: 1.2
Yaw p rate: 0.280
Yaw i rate: 0.038
Yaw d rate: 0.010

構成が違うので、この同じ設定値で上手くいかない場合が多いでしょうけど、とりあえず同じ値を突っ込んで飛ばしてみます。何と!フラフラしたのが収まった。Fly like a dream. 感激だ。



ギンバル(カメラのスタビライザー)がついていませんので、かなり揺れて見にくいですが、こんな感じ。


割と安定して飛んでますよ。

これはまだ試作と言うことで、やっぱりちょっとフロントヘビーのようですので、少々アームの位置を調整いたします。

本当はこの東雲壱号を詰めていきたいところなのですが、また別のフライトコントローラーを買ってあるので、東雲は後回しにして次にいこう。


KK2.15フライトコントローラー。実はこれを使って一度作って、人にあげてしまいました。
このフライトコントローラーは使っている人が多いので、設定などの情報が多いし、液晶スクリーンがボードについているので、PCがなくてもその場で設定できるという便利ものです。
ただGPSはつけられませんので、無茶するとどこか飛んでいって帰ってきません。

しかしこういうボードを見ていると、何というか夢が詰まっているみたいで、見ていて飽きませんね。

今度はちょっとだけ大きめのTコプターを作ってみようか。