2015年8月3日月曜日

難しい高校入学

最近、たまにここに出てくる養女は、6月にインドネシアの中学校を卒業して、学期制度が日本と違うため日本の高校に入れるなら来年からになるのですが、これがなかなか難しいのです。

日本語を聞く話す能力は、ザッと言って小学校6年ぐらいかなという感じで日常生活に問題はないです。しかし読み書きが ひらがな+カタカナ+小学一年生程度の漢字能力 というものなので、日本の高校に入れるのは現状では非常に難しいです。高校というのは入学試験というものがあり、それは日本語で書いてあり、それを読んで理解して日本語で回答を書けないと合格しないからです。
授業も日本語の読み書き能力があることを前提にして進められるので、上手いこと潜り込んだとしても授業について行かれないでしょう。

以前はこういうケース(日本語能力に問題がある外国子女)でも、名古屋でしたら南山国際高等学校というところが受け入れていたのですが、5年ぐらい前から方針が変わり、今はまったく無理という状態になりました。短く言うと、このままだと入る高校がないのです。 

名古屋も外国人子女が増えているので、そのための進学ガイダンスというのも行われておりますので、昨日2015年8月2日、名古屋国際センターで行われた「外国人の子どもと保護者のための進路ガイダンス2015」というものに参加してきました。


高校に普通に入学できるパターンは、大体2つあります。
1つは、日本の中学校に通っていて、それなりに日本の学校制度・学習制度に慣れている。
2つは、日本語能力は怪しいが、定時制などの学校に入る。

2つめはピンとこないかも知れませんので解説をしたいのですが、今時定時制というのは「問題のある生徒が最後に行き着く場所」そういうケースが多いのです。決してバカにしたり見下したいわけではなく、現実としてそういうケースが多いとそう言っているわけです。
要するに、自分の名前が書けて、ひらがなカタカナ数字、そしておまけでアルファベットが一応書ければ入学試験で落ちることは無いでしょうと、現実的にそういうところだと言えば、まあそうなってしまうわけです。なかなか普通以上の頭を持っている人には学習の場としては少々辛いという場所ではあります。

来年の高校入試時期までに日本語能力をつけさせる、というのはもちろんで、そういうサポートをしてくれる組織があります。名古屋だとYWCAの外国人子ども日本語教室「ガリ勉クラブ」。外国人子女に対する日本語指導も慣れていますし、何と言っても博愛精神を基本にやっているので信用ができます。しかも授業料が本当にこれで良いのか?というぐらいに安いです。
ただ問題は授業は週に二回ですから、本人にやる気がなければとても習得は難しいです。

それなりの高校入学試験(偏差値は現実を見極めて45以上ぐらいだとしましょう)をそれなりにクリアするぐらいの日本語能力というと、おそらく漢字を1000ぐらいは知っていないと難しいのではないでしょうか。今から1000個の漢字をきちんと覚えるとなると、1日3つぐらいの割り当てになります。それが毎日ですから、中々難しいですよ。養女も頭は悪くないのですが、私が見たところ、環境が環境だから仕方がないとは言え、かなり甘やかせて育てられたので、困難に直面するとすぐに逃げる事が癖になってしまっている。なのでおそらく本人の資質としてそのレベルまではとても学びきれないだろうなという感じです。このままだと普通の高校の入試は難しいでしょう。

日本人の子供でも高校入学というのは難しい問題なのですが、外国人となると、更に話は面倒になるのです。