2016年9月18日日曜日

ライカM型ヴァルカナイトのエンボス型 試作

以前から非常にリクエストが多いものに、ライカM型に近似したエンボス革というものがあります。
今回はそのライカM型のエンボス型製作にトライしてみます。上手く行くかどうかはまったくわかりません。



私の持っているM3でオリジナルのバルカナイトが残っているものを3Dスキャンいたします。
ジュエリー業界でこの人あり、そしてライノの達人であり、Evanceというライノプラグインの開発者である成島様が運営するヴァイタローラ株式会社にスキャンをお願いいたしました。
正直使える部分は上の画像の枠で囲った部分しかありません。この部分だけスキャンしてもらって、何とかしてやろうという、かなり無理がある目論見です。

現状、上手く行くかどうかはまったくわかりません。

3Dスキャンというのも、なかなか問題があり、メッシュデータ(3Dポリゴンデータ)をもらっても、正直何ともしようがないのです。大体データが巨大になりますので、編集作業も膨大になるだろうし、それに耐えられるソフトウェアも持っていません。ウチで使っているライノで編集出来るデータ、すなわちNURBSデータで納品してくれないと何ともなりません。
3Dスキャンというのは、スキャンしてソックリそのままそのデータを造形する、いわゆるリバースエンジニアリングみたい使い方が主のようで、そのデータを弄って何かをしようとするのは大変な苦労をするというもののようです。

まあ、この湾曲したデータをそのまま造形して使えるなら、そのまま何の苦労もせずに造形出来るわけです。しかしこんなの造形しても何も使い回しは出来ません、という話です。

しかし、ちょうどスキャン画像をNURBSに変換して納品していただける業者さんがありましたので、依頼してみました。あんなメッシュデータをNURBSに変換してくれるって、そんなのどうやってやるのか大変興味がありますが、正直すごいと思います。MeshToNurbsではこう上手くいかんよ。

それはよしとして、データが届きました。



スキャンしたままですので、ボディの通りに湾曲しています。当然ですね。



3Dスキャンというのもすごいですね。



見て驚くな?これはNURBSなのです。制御点が出ます。しかしながら
U=450 V=900 という膨大な制御点です。



この制御点の数を見よ。かなり拡大して、あの一つ一つの粒にこれだけの制御点が詰まってます。もうほとんど制御点の海という感じです。データもクソ重いです。

まず湾曲を平面に直さないといけないのですが、単純に計算して450回+900回=1350回、これだけの回数を位置揃えのために動かさないといけないわけですね。しかしメッシュデータだともう弄りようがなくお手上げですので、1350回でも100倍マシと言わざるを得ません。



でも、いきなり1350回制御点を弄って上手く行かなかったら泣いてしまうので、とりあえず思い切って制御点をリビルドで減らして(U=153 V=67)でやってみます。いきなり難しいことをやっても上手く行かないですから、とりあえずは簡単にやってみます。



とりあえずU側を揃えます。

ストラテジーというか目論見といたしましては、

湾曲したデータを平たくする 
→ ライカM5が取れるぐらいの大きさまで、端の柄を揃えて並べる
→ 3Dプリンターで造形してエンボス型を作る
→ それで上手く行けば、石膏型で反転して鋳造する

かなり先の長そうな、しかもそんなことはやったことがないので、相当な困難が予想される計画です。

しつこいですが、上手く行くかどうかはまったくわかりません。

つづく