2018年1月25日木曜日

甘い味がするパイプ

先日 酸っぱい味がするパイプ という投稿をしましたけど、甘い味がする木材も当然存在するはずです。素直にブライヤーでパイプは作れないのか?と思われるかもしれませんけど、元来変なものが好きな性格なので、ブライヤーをきちんと削ってきちんとしたパイプが出来上がりましたというのは、決して嫌いではありませんが、それが別に面白いとは思わないわけですよ。

今回はこれで行こう。



近くの森の中に落ちていた桜の枝です。桜に詳しいわけではないのですが、樹皮を見る限りソメイヨシノと思われます。関係ないですけど、ソメイヨシノは日本全国すべて同じ1本の桜の木からクローンをしたもので、すべて同じDNAらしいです。だから条件が揃えば一斉に咲く、ということだそうです。

まあとにかく忙しいですから、時間なんかかけていられません。昼休みに完結するような簡単なものを作ります。



ジャーン。見て驚くな、製作時間10分。太めの枝にΦ20の穴をあけてボウルにして、細めの枝にΦ4の穴をあけてステムに、そのステムをボウルに突っ込んだだけ。樹皮もつけっぱなし。製作時間10分と言われても誰も疑わない、誰でも簡単にできてしまうパイプです。



特に何の工夫もありません。樹皮の上に水性のニスを塗っただけです。マウスピースは3Dプリンター製。大体タバコが3グラム入るぐらいの標準的なサイズで、私の吸い方ですと2時間ぐらいの喫煙時間。ちなみに木は半乾きよりちょっと乾いたぐらいの状態です。

チェリーパイプをWebで調べてみると、アルフレッド・ダンヒルは「チェリーは実にうまいが、カーボンがつきにくいのが難点」という言葉が散見されます。
その言葉を信じてバージニアの葉っぱを詰めて吸ってみますと、
甘い。実に甘いです。
たしかに旨い。ダンヒルは嘘ついていませんでした。
桜の木とか葉っぱにはクマリンという成分が含まれていて、それがこの甘さを出しているようです。
これからは着香タバコを買う必要はありません。辛めのタバコでも思い切り甘い着香タバコに変化します。ラタキアブレンドのタバコを入れても、やはり甘い煙味になります。

何とまあ、拾ってきた桜の枝を10分加工して、かなり素晴らしいものが出来てしまいました。DIYの醍醐味と言ってもいいでしょう。高い金を出したら良いものが手に入るなんてのは至極当然の道理で、そんなの別に面白くも何ともないです。材料費ほぼタダで結構なものが出来上がった、というのが実現すると人生が何倍も豊かになるという話なのですよ。

何と言いましょうか、紙巻きたばこなんてスッパリやめてパイプ煙草の世界に入って本当に良かった。実に豊かな時間を過ごせるね。まだ紙巻きシガレットみたいな貧乏くさいものを吸って、、、おっとっと、これ以上は言うまい。

この素晴らしい甘い味が果たしていつまで続くのか、それが興味深いところです。味が消えても気にする事はありません。まだ枝はたくさん残っていますし、また昼休みに10分かけて作り直すだけのことです。見てくれを気にしなければ、パイプなんてこれで十分満足。わざわざ金を出して買うなんて馬鹿らしいです。



次は、リンゴとかミカンの枝を探してきて、また10分かけてパイプを作ってみます。